作品紹介
『とある飛空士への恋歌』(とあるひくうしへのこいうた)は、犬村小六による日本のライトノベル。イラストは森沢晴行。小学館ガガガ文庫より、2009年2月から2011年1月にかけて全5巻が刊行された。2008年に刊行された著者の長編小説『とある飛空士への追憶』から続く「飛空士」シリーズ第2作。2019年9月時点で「飛空士」シリーズ全体の全世界累計発行部数は130万部を記録している。
2014年1月から3月にかけて、トムス・エンタテインメント制作のテレビアニメ版が放送された。また同年2月から2015年9月まで、こじまたけし作画による漫画版が『週刊少年サンデーS』(小学館)において連載された。
ストーリー
小説は登場人物の内面描写を交えた三人称視点で描かれており、場面によっては主人公以外の人物の視点から物語が語られることもある。主要登場人物には、主人公を中心に対照的な性格を持つ「静」と「動」の二人のヒロインが配置されており、いわゆるダブルヒロイン構成となっている。また、表題である「恋歌」には二重の意味が込められており、二人のヒロインが主人公へ寄せる想いを象徴するものとなっている。
物語は全5巻で構成されている。第1巻では回想を中心に、主人公の過去やヒロインたちとの因縁が描かれる。第2巻からは主人公を取り巻く学生たちの学園生活が穏やかな雰囲気の中で展開されるが、第3巻の途中から敵勢力との武力衝突が描かれるようになり、作品の雰囲気は一転してシリアスなものとなる。
物語のクライマックスは第4巻終盤に置かれており、主人公とヒロインのドラマは第5巻序盤で一区切りを迎える。しかし、敵勢力によって引き裂かれた主人公とヒロインの再会は最後まで描かれないまま物語は幕を閉じる。著者によれば、ヒロイン一人を取り戻すために多くの敵味方が命を懸けて争うような展開は避けたかったという意図があったとされる。なお、第5巻の残りのエピソードは後日談として描かれている。