輪るピングドラム
2011-07-07

作品紹介

『輪るピングドラム』(まわるピングドラム、MAWARU-PENGUINDRUM)は、ブレインズ・ベース制作による日本のテレビアニメ作品。2011年7月から12月まで毎日放送・TBSほかにて放送された。略称は「ピンドラ」や「ピングドラム」。

ストーリー

兄弟である高倉冠葉と高倉晶馬の妹・陽毬は、重い病により余命わずかと宣告されていた。兄弟は陽毬の願いを叶えるため、思い出の場所である水族館を訪れるが、そこで陽毬は倒れ、搬送先の病院で息を引き取ってしまう。しかし、兄弟が悲しみに暮れる中、水族館で購入したペンギン型の帽子を被った陽毬が「生存戦略!」という掛け声とともに蘇生する。

その帽子を被っている間だけ、陽毬は「プリンセス・オブ・ザ・クリスタル」という別人格へと変貌し、「陽毬を救いたければピングドラムを手に入れろ」と兄弟に命じる。3羽のペンギンを与えられた冠葉と晶馬は、プリンセスの指示で女子高生・荻野目苹果の調査を始めるが、それは過去に繋がる数々の出来事の幕開けとなる。

苹果は、亡き姉・桃果が命を落とした日に生まれた少女である。姉の代わりとして生きることを自らに課し、桃果が遺した「運命日記」に従って、姉の想い人・多蕗桂樹と結ばれるための「プロジェクトM」を進め、彼を密かに追い続けていた。

一方、高倉兄弟が陽毬に秘密で調査を続ける中、陽毬は偶然苹果と知り合い親しくなる。やがて双方は互いの事情を知り、プロジェクトMへの協力と引き換えに運命日記を譲るという約束を交わし、晶馬は苹果と行動を共にする。しかし、多蕗と女優・時籠ゆりの婚約によって計画は頓挫し、さらに何者かに運命日記の半分を奪われてしまう。

その頃、家族を守るため多額の資金を集めようとしていた冠葉は、弟・マリオのために運命日記を狙う少女・夏芽真砂子と関わることになる。真砂子は晶馬を人質に取り、苹果は彼を助けるため、残っていた日記の半分を真砂子へ渡してしまう。

日記を失ったことで桃果への執着から解放された苹果は、自分が晶馬を想っていることに気付く。しかしその直後、プリンセスが作り出した幻想空間で、16年前に起きた悲劇は高倉三兄妹の両親・高倉剣山と千江美が所属していた「ピングフォース(企鵝の会)」によるものだったと晶馬から知らされる。

その後、プリンセスは「闇ウサギ」への警告を残して力尽き、陽毬は再び命を落とす。しかし謎の男・渡瀬眞悧が冠葉に代償を求めたうえで薬を与え、陽毬は再び蘇生する。そして眞悧は現実世界で本格的に動き始め、陽毬へ接近していく。

実は、苹果から日記を奪った人物は多蕗と結婚した時籠ゆりだった。桃果の幼なじみであり、今なお彼女を想い続けるゆりは、「桃果をこの世界へ取り戻す」ために運命日記を求めていた。そのため、日記の残りを巡って真砂子とゆりは幾度も争うことになる。

一度は加害者と被害者の家族という関係を理由に晶馬から距離を置かれた苹果だったが、それでも彼を追い続ける決意を固める。

一方、多蕗は桃果を失ったことを「もう変えられない過去」と受け入れていた。しかし、高倉家への憎しみを隠さないゆりよりも先に行動を起こし、苹果と陽毬を拉致して冠葉を誘き寄せる。「高倉家に罰を与える」と迫るものの、家族を命より大切に思う冠葉と陽毬の姿に心を動かされ、その場を去る。

互いの絆を確かめ合った高倉兄妹と苹果だったが、陽毬を想い続ける冠葉に焦った真砂子が陽毬を襲撃したことで、冠葉と陽毬には血縁がなく、高倉三兄妹は寄せ集めの家族だったという真実が明らかになる。

剣山の行方を追っていた多蕗は、廃屋で剣山の名札をつけた遺体を発見する。その直後、ゆりをかばった多蕗は、彼女のかつての恋人・結城に刺されてしまう。

やがて眞悧は、薬の効果が薄れたことで陽毬の命が再び尽きようとしていることを告げる。陽毬を救いたい一心の冠葉は眞悧の思惑に取り込まれ、「企鵝の会」の計画を引き継ぐ道へ進む。一方、それに反発した晶馬と冠葉は対立し、陽毬も冠葉を止めるため家を出て、三兄妹は離ればなれとなる。

陽毬は冠葉のため自らの死を受け入れようとし、真砂子も命懸けで冠葉を止めようとする。しかし冠葉は眞悧とともに世界の破壊へ進み続ける。

眞悧こそ16年前の地下鉄事件の首謀者であり、今なお呪いとして世界に存在していた。彼が恐れていたのは、桃果が遺した「運命を乗り換える力」を持つ日記と、その妹・苹果だった。ゆりは多蕗の回復後に運命日記を苹果へ返し、苹果は陽毬を救うため日記を使おうとする。しかし眞悧は冠葉を利用して日記を集めさせ、苹果の目の前で消し去ってしまう。

病院から陽毬を連れ去られた晶馬のもとへ、桃果の声が届く。「冠葉とともに運命を変えなさい」と。その言葉を胸に、晶馬と苹果は、冠葉と眞悧が待つ運命の列車へ乗り込む。

列車内で対峙する中、晶馬は高倉家で過ごした三兄妹の日々を思い返し、「愛と罰を分かち合おう」と決意する。そして冠葉からかつて分け与えられた「半分の林檎」を返す。それは幼い頃、二人が極限状態で分け合った「運命の果実」であり、陽毬はそれこそが「ピングドラム」だと語る。

苹果は自らを犠牲にする覚悟で、「運命の果実を一緒に食べよう」という言葉を叫ぶ。その言葉は、かつて冠葉が晶馬を救い、晶馬が陽毬を救い、陽毬が友人たちへ伝えてきた大切な言葉だった。

運命の乗り換えが始まり、冠葉は「本当の光」を手に入れたと語りながら、陽毬を列車の座席へ寝かせ、自らは砕け散るように消えていく。苹果を包む呪いの炎は彼女を抱きしめた晶馬へ移り、晶馬は愛を告げて姿を消す。世界の破壊は再び阻止され、桃果は眞悧へ別れを告げ、二つのペンギン帽を残して去っていった。

運命が書き換えられた世界では、多蕗とゆりは新たな人生を歩み始める。同じ電車で倒れたことをきっかけに陽毬と苹果は親友となり、真砂子は健康なマリオと穏やかに暮らしていた。そこには冠葉と晶馬の存在も記憶もなく、二人は最初から存在しなかったかのようになっていた。ただ、額の傷やメモの切れ端、そして夢だけが彼らとの繋がりをかすかに残していた。

ある日、陽毬と苹果が昼食を取っていた家の前を、冠葉と晶馬によく似た髪色と声を持つ二人の少年が語り合いながら通り過ぎる。その後ろを四匹のペンギンたちが追いかけ、彼らはどこかへと歩き去っていった。

組織と制服

キャラクターリスト