作品紹介
江ノ電沿線など、鎌倉とその周辺が舞台。2つの女子高に通う2人の主人公を軸に、女性同士の恋愛と友情が描かれている。
ふたりの主人公を取り巻く女性同士の人間関係や恋模様とともに、男女間の恋愛や恋心も描かれている。これについて作者は「女の子同士の恋愛だけに特化すると、女の子同士の恋愛が単なるファンタジーになってしまいそうなので、男女の恋愛も含めて描いた」という旨を語っている。また作者は前作『どうにかなる日々』でレズビアンの話を描いていてとても楽しかったことが創作のきっかけになったと明かしている。女性間の性愛というテーマを正面から扱っており、作風として(『どうにかなる日々』のような)直接的な性描写は避けられているが女性同士の肉体関係がある。
初期の意気込みとして、(当時人気のあった)『マリア様がみてる』に負けない百合作品にしたいとも語っていた。これは差異化宣言である。百合っぽい雰囲気を匂わすのではなく、恋愛としてはっきりと描くということ。初期設定では、ミッション系の学校でお姉様と妹のような構想であったが却下し、学校を2つにしてあきらとふみの性格を逆にするなど、変更が行われた。[3]
当初の構想ではふみとあきらの性格が逆で、曰く「クールビューティーなふみ、おとなしいあきら」であった。8巻巻末『若草物語』では、このIFが描かれる。そしてあきらの方が恭己と付き合う想定をされていた。
タイトルは、ノヴァーリスの小説『青い花』に由来する。各話サブタイトルは文芸作品からとられている。藤が谷では毎年「演劇祭」が行われ、その期間はサブタイトルが題材作品のものとなる。
志村の作品は作中での出来事を必ずしも明示せずに行間で読ませる部分が大きく、本作をアニメ化する際のシナリオ会議でも台詞の解釈がたびたび問題となった。
ストーリー
江ノ電沿線の女子高「松岡女子高等学校」に入学した万城目ふみは、入学式の日に同じく江ノ電沿線のお嬢様学校「藤が谷女学院」に入学した幼なじみの奥平あきらと10年ぶりに再会し、一緒に登校するようになる。失恋し涙目になるふみに、あきらはハンカチを差し出す。「ふみちゃんはすぐ泣くんだから」。10年前にもあきらはふみに同じ言葉をかけていた。ふみは、先輩の杉本恭己と出会い、交際を始める。恭己には藤が谷から松岡に転入したという経緯があった。
あきらは恭己に片思いをしているクラスメイトの井汲京子と共に演劇部へ入部する。6月の藤が谷演劇祭に恭己は客演として呼ばれ『嵐が丘』のヒースクリフを演じることになる。その過程でふみは恭己の真意に触れ、二人は上手くいかなくなり破局する。
夏休み。ふみやあきら達は、京子に呼ばれて山梨の清里にある別荘に出かける。あきらは、京子の許婚である澤乃井康が京子を心から愛していることを知る。秋には江ノ島で各務先生と杉本和佐の結婚式が挙げられた。ふみは、自身の初恋の相手があきらであることをあきら本人に打ち明ける。恭己は松岡を卒業し、イギリスに留学する。